西さがみ・路傍の花 2017年07月07日号

西さがみ・路傍の花 [489] ナンキンナナカマド -ばら科-

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秋に紅葉が美しいことで知られるナナカマドは、材が硬く燃えにくいそうで、七度かまどにくべても灰にならないので、それでこの和名があるという。しかし近頃実験した人もいないようである。
それに対してこちらは樹姿も花や葉も小形なので、それでナンキンがついている。ナンキンコザクラ・ナンキンアヤメ・ナンキンネズミなど、みな小形の種類という意味である。
ナンキンナナカマドは神奈川県では丹沢と箱根に分布するが、どちらも山頂付近の岩場の根もとなどにあり、それほど個体数は多いものではない。樹姿も小さく髙さ二~三mどまりで、多くは枝を水平に伸ばしている。ナナカマドが髙さ一〇m以上になるのに比べると、まさに南京である。
写眞のように葉の先端は円または鈍形で、ナナカマドのように尖らない。これも本種を可愛らしく見せている特徴のひとつである。
(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・路傍の花, 2017年07月07日号