西さがみ・路傍の花 2017年07月28日号

西さがみ・路傍の花 [490] ナヨクサフジ -まめ科-

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中国の雲南省などは乾期が長く、初夏だと云うのに一面に冬の枯野の姿でいる。その中で一枚だけ派手に紫色に染まっている畑が見えたので、駆け登ってのぞいたらそこだけ本種が栽培されていた。まめ科だからレンゲソウと同じく、畑に播種しているらしい。
その後しばらくして西さがみにも各地に本種の帰化しているのを見るようになった。原産地は欧州から西アジア地方である。
日本の野生種にツルフジバカマやクサフジなどがあって本種によく似ているが、一箇の花を側面から見て、花の筒部(爪という)とその先端の立ち上った部分(舷)とを比較するとき、ツルフジバカマ・クサフジともに爪と舷はほぼ同長である。これに対して本種は爪の長さは舷の二倍ある。
和名のナヨは同じ帰化種のビロードクサフジより、茎が細いことを云うらしい。
(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・路傍の花, 2017年07月28日号