2018年06月15日号 小田原城さんぽ

小田原城さんぽ [186] 北条稻荷の『 蛙石(かわずいし)』

2018/07/25

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=「夜泣石(よなきいし)」伝説と要石(かなめいし)伝説の複合例=

北条稻荷の位置は北条時代小田原城下を通る東海道の、その最東端であった。そのため江戸初期からこの付近は江戸口と呼ばれた。
ここ北条稻荷の境内の蛙石はなる程蛙によく似ている。伝説ではもと城内にあって、北条氏危急の際には、夜中に鳴いて予告したと。
各地に似た話があり、これを「夜泣石伝説」という。城内に狐がいて人を困らせるので北条氏康が一首を詠んで退治した。
「夏は来つ音になく蝉のから衣 おのれおのれが身の上に着よ」。キツネが二つに割かれている。
この石はいくら掘っても根に達しない。同じ石が鹿島と香取の両社境内にもあって、これを要石という。その神歌「ゆるるとも よもや抜けじの要石 鹿島の神のあらん限りは」。つまり地震除けの歌である。「夜泣石」と「要石」と、とにかく二つの伝説が複合しているところも、東海道の東口ならではのことである。
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(小田原の城と緑を考える会長 田代道彌)

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