西さがみ・路傍の花 2017年02月03日号

西さがみ・路傍の花 [478] イズセンリョウ -やぶこうじ科-

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常緑樹林の林床に髙さ一米内外に伸びている。和名のように伊豆には多いが、西さがみでは石垣山や南足柄の大雄山山内などでもよく見かける。マンリョウ・センリョウ・イズセンリョウなど、和名が似通っているのでよく混同されるが、系統的には一括できない。
まずイズセンリョウとマンリョウとは、同じやぶこうじ科で、イズセンリョウ属と、マンリョウは別のヤブコウジ属に分かれる。これに対してセンリョウはセンリョウ科で、この科にはヒトリシズカやフタリシズカが属している。つまりセンリョウ・マンリョウは、千両万両ほど簡単には語れない遠い関係になる。
イズセンリョウは雌雄別株である。雌株にやや肌色がかった白色の果実が見えるが、よく見るとこれは花の終わった後の萼片が、散らずに果を保護しているらしく、果はその中に保護されている。
(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・路傍の花, 2017年02月03日号