西さがみ・路傍の花 2017年05月12日号

西さがみ・路傍の花 [485] カントウタンポポ -きく科-

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西さがみのこの仲間には在来種のカントウタンポポとシロバナタンポポの二種と、帰化植物のセイヨウタンポポとアカミノタンポポなどがある。などというのはこれらのほかにたとえばカントウタンポポとアカミノタンポポの自然雑種なども、含まれるからである。
在来種は二種とも花期は春だが、帰化種は春から秋にまで及んでいる。在来種は湿度のある日なたを好むが、帰化種は乾燥地にもひろく展開する。一時的にせよ帰化種が優勢な理由である。
戦前まで子供たちはカントウタンポポの花茎を折って両端を指で潰して、それを水中に浸けて遊んだ。両端が急に反転して写眞のようになるのが、子供の眼にも鮮やかであった。
ずっと後に柳田国男の民俗書を読んで、タンポポの語源を私は了解した。花茎の両端の反転したこの姿を子供たちは大鼓と小鼓に見立てた。その音がタン、ポポンだ。
(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・路傍の花, 2017年05月12日号