西さがみ・路傍の花 2017年11月03日号

西さがみ・路傍の花 [495] サワヒヨドリ -きく科-

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西さがみのひよどりばな類には、野生種としてはヒヨドリバナ・ヨツバヒヨドリ・ホソバヨツバヒヨドリ・サワヒヨドリなどがあり、帰化植物には北米原産のマルバフジバカマと中国から来たフジバカマがある。
西さがみで見る多くの野生のひよどりばなは、基本的には花は白色で、この中でサワヒヨドリのみが写眞のように紫紅色に染まっているに過ぎない。箱根より北の山地ではヒヨドリバナもヨツバヒヨドリもみな紫染していて、遠くから見ると箱根のサワヒヨドリと錯覚するほどである。
サワヒヨドリは沢ひよどりで、水分の多い草原に咲く。ひよどりは花の冠毛を乾燥させて、火打石で火を切る時にこれで受けたのではないかと思う。つまり火取り花である。しかし一般には秋に入って野鳥のヒヨドリが里に姿を見せる頃に咲くからだという。しかし戦後はヒヨドリも一年中、人里に居ついてしまった。
(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・路傍の花, 2017年11月03日号