西さがみ・季節の花ノート 2018年07月06日号

西さがみ・季節の花ノート [No.6] ノアザミ -きく科-

2018/07/25

Kisetsu_no_Hana_Note-006_Noazami
春の摘み草のころ、まだ地上に伸び出したばかりの種々の草を探していると、その中に固いつぼみをつけて、地表に張りついたような葉の中に、埋もれているあざみの花が見える。それがノアザミでこれから次第に茎を伸長させて行くのである。
西さがみであざみと云えば、むしろ秋の花の印象が強い。ノハラアザミ・タイアザミ・アズマヤマアザミ・ホソエノアザミそれから大輪の花をつけるフジアザミなど、いづれも秋咲きの種類である。
その中でノアザミだけひとり春の花だが、しかしノアザミも春から夏まで咲いて草の姿は著るしく変化する。春の花は花のすぐ下部に葉を伴っていて花と葉と併せて観賞されるが、夏には葉より遙かに上に花茎が伸長し、花と葉とは位置が別れてしまう。
花の下が長い状態は夏から咲き出すノハラアザミに似てくるが、その場合ノハラの総苞は粘着しないのに、ノアザミは粘るので区別される。
(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2018年07月06日号