西さがみ・季節の花ノート 2018年08月17日号

西さがみ・季節の花ノート [No.7] ニシキウツギ -すいかずら科-

2019/11/14

Kisetsu_no_Hana_Note-007_Nishikiutsugi

咲けば卯の花と呼ばれるウツギ属はゆきのした科だが、こちらはすいかずら科だから双方は縁もゆかりもない。
他にもうつぎの名のつく種類は多いが、分類学的な系統を問わず、枝の芯が空洞になるものと、それに外見が似ている時には、やたらと空木(うつぎ)と呼ぶらしい。
こちらニシキウツギは、花が白く咲いてやがて紅色に変化し、一株に二色あるのでニシキウツギである。箱根などの方言は貧乏うつぎだが、貧乏すると屋敷が荒れて本種などがはびこるためと云う。
ハコネウツギに似るが、これは真鶴や熱海など海岸の種類で、箱根などの髙地には見ない。誰がどこで間違えたのであろうか。ハコネは葉が大きく厚く暗い緑色で、花の側面は花冠が大きく急に段状に基部に移行する。これに対してニシキは花冠先端より基部へかけて緩くせばまり、ハコネのように急に細くはならない。
(箱根カルチャー主宰・田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2018年08月17日号