小田原薬剤師会より

小田原薬剤師会より [No.118] 「夏に潜む疾患 ~中医学から 学ぶ健康法~」

2020/01/10

いきなりですが夏場のビール って美味しいですよね♪これは薬膳的にも理にかなっていて、お酒=体を温めるイメージですが、ビールは体を冷やす作用があります。
中医学では“脾(ひ)は湿(しつ)を悪(にく)む”という言葉があります。脾=消化器官と捉えると、夏場に暑いからといって水分を摂り過ぎたり、また、食事中に大量に水分を摂取すると、脾が湿の影響を受けて消化不良を起こし、体の重だるさ、むくみ、軟便といった悪影響を及ぼします。
さらに夏場に気を付けたいのが、心臓病です。心臓病というと冬に発作を起こす方が増える傾向がありますが、“血汗同源(けっかんどうげん)”という言葉がある通り、汗として水分を消耗すると血液がドロドロになるだけでなく、暑さで血管が弛緩して血圧も下がり、エネルギーを消耗しやすいので心臓に負担がかかります。その結果血栓ができやすくなるため、夏場にも循環器系の疾患が多くなります。最近では屋内で冷房が効きすぎている施設も多く、外に出た時の温度差にも注意が必要です。急激な(5℃以上の)温度変化は、血圧の上昇を引き起こしますので、血栓を移動させ心筋梗塞や脳梗塞につながりかねません。外出時には温度調節ができるような服装で出掛ける事を心掛けましょう。

-小田原薬剤師会より