小田原市 文化 歴史 ニュース 2019年12月13日号

地域の発展に寄与した貴重な土木遺産
「旧熱海線鉄道施設群」が認定

2020/04/20

小田原市と静岡県熱海市・函南町に所在する「旧熱海線鉄道施設群」が、2019年度の土木学会選奨の土木遺産に選ばれた。12月1日、三の丸小学校で認定式が開かれた。
旧熱海線鉄道施設群は、大正から昭和にかけて建設された土木遺産群。小田原市の酒匂川橋梁と白糸川橋梁、静岡県熱海市・函南町の丹那トンネル、函南町の桑原川橋梁からなる。関東大震災など幾多の災害を乗り越え、土木技術の歴史を今に伝える貴重な遺産として認定を受けた。1889(明治22)年に開通した東海道本線は当初、国府津駅から御殿場を経由するルートで建設されていた。そこで輸送力の増強などを目的に1916(大正5)年に着工したのが、小田原・熱海経由の熱海線と呼ばれるこの新ルートだった。1934(昭和9)年に丹那トンネルの開通をもってこの熱海線が東海道本線となり、地域の発展に大きく寄与してきた。
認定式では、旧熱海線の沿線都市と交通基盤を考えるシンポジウムも開かれた。小田原市と熱海市、函南町の首長と商工会・商工会議所の代表が登壇し、道路などの交通基盤の整備の必要性について議論。小田原から真鶴・湯河原・熱海を経由し、函南町を経て沼津につながる「伊豆湘南道路」構想は、地域経済の活性化や渋滞の解消だけでなく、災害時の輸送路の確保という点からも整備が必要と訴えた。

POST20191213_doboku_a▲旧熱海線鉄道施設群
写真右上から時計回りに、酒匂川橋梁(小田原市)・白糸川橋梁(小田原市)・桑原川橋梁(静岡県函南町)・丹那トンネル(静岡県熱海市・函南町)

POST20191213_doboku_b▲認定式で記念撮影を行う関係者

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