小田原市 ニュース 産業 2019年11月15日号

小田原市立酒匂小学校でモデル事業
木質化で校舎に木の空間

2020/04/20

小田原市立酒匂小学校で、地元小田原産などの木材を使って内装を木質化する改修工事が行われた。
市では、小田原産木材の継続利用や教育環境の向上などを図るため、昨年度より3年間、小学校を対象に木質化改修のモデル事業に取組んでいる。昨年度は東富水小学校で実施。今年度は酒匂小を対象に、夏休み期間を利用して施工した。木材使用量は約15立方メートルで、うち約9立方メートルが小田原産。事業費は約2900万円。設計は、建築設計事務所の㈱みかんぐみ(横浜市)が担当した。
10月23日には関係者向けに内覧会が開かれ、設計者が説明を行った。昇降口はすのこパネルや木製の天井ルーバーを設置し、木に包まれたような空間に一新。廊下には木製のフックを備えたすのこパネルを取り付け、荷物掛けの時などに児童が自然と木と触れあえるようにした。各教室の機能や配置も大幅に見直し、学年室は取り外しが可能な木製の扉を設置することで幅広い用途で使えるようにした。また、各教室の室内札も新しくした。寄木細工や小田原漆器、木象嵌などの伝統技術を使い、地元の木工職人団体「いぶき会」が製作した。
「昇降口が明るく変わったことに子どもたちも驚いた様子だった。木の香りに気づく子もいた」と倉澤良一校長。来年度のモデル事業は豊川小を対象に実施予定。市では事業終了後も、小学校での木質化改修を進める考えだ。

P20191115_mokushituka_a▲木製の天井ルーバーやすのこパネルで、空間に木の一体感をもたせた昇降口

P20191115_mokushituka_b▲廊下には、木製フック付きのすのこパネルを設置

P20191115_mokushituka_c▲地元の伝統木工技術を使って作られた各教室の室内板。教室ごとに、個性豊かな仕上がり

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