小田原市 ニュース 産業 街の話題 2019年04月19日号

匠の技が随所に光る店舗に
伝統工法で「江嶋」が再生

2020/04/30

小田原銀座通りの老舗「江嶋」が4月14日、約2ヵ月間の改修工事を終えてリニューアルオープンした。
創業は江戸時代初期の1661年。以来350余年、日本茶と和紙を中心に商売を続けてきた。小田原の伝統的な商家の歴史を感じさせる「出桁(だしげた)造り」がひときわ目を引く店舗は、昭和初期の建築。当時の天井は60年前にそれより低い天井を作って隠していたが、改装ではそれを解体。もとの梁や柱を活かした重厚で開放感のある空間とした。
店舗の外壁は、小田原市の宮大工棟梁・芹澤毅さんが「下見板張り ささら子押縁」という伝統技法によって復元した。各所に今ではなかなか見られない技法が使われている。
「90年近くの建物ですので、傷んでしまっていた箇所もあり心配でしたが、職人の方々による技と工夫で素晴らしい店舗ができました。これからもご縁を大切に良い品物をお届けできるよう努めてまいります」と17代当主。

POST20190419_ejima_a▲新しくなった「江嶋」

POST20190419_ejima_b▲天井が今までより1m以上高くなり、広々とした空間に

POST20190419_ejima_c▲「下見板張り ささら子押縁」の外壁。雨に濡れれば膨張し、
晴天の日は通風により乾燥する、日本建築の知恵が詰まった工法

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