小田原市 文化 ニュース 2019年02月22日号

小田原出身の脚本家・廣澤榮さんの長男
映画脚本などの資料を市に寄贈

2020/04/30

小田原出身の脚本家・助監督の廣澤榮(ひろさわえい)さん(1924-1996年)の遺した映画やテレビ、演劇関係の資料群422件が、長男の厚さん(東京都狛江市在住)より小田原市に寄贈された。2月15日、市役所を訪れた厚さんへ加藤憲一市長が感謝状を贈呈した。
廣澤さんは、小田原の幸町で書店の家に生まれた。1944年に東宝に助監督で入社するものの途中で従軍。終戦後は助監督の仕事をしながら鎌倉アカデミアで学び、黒澤明監督や成瀬巳喜男監督らの映画製作に関わった。また、多くの原作や脚本も手がけた。
今回寄贈された主な資料は、脚本を担当した映画「サンダカン八番娼館」、助監督を務めた映画「七人の侍」の脚本や取材写真、直筆原稿など。「サンダカン八番娼館」では戦争に翻弄された女性の姿を通じて、平和への思いを伝えている。
また、テレビドラマ「水戸黄門」の製作記録や、客員座員を務めるなど関係が深かった小田原の劇団「こゆるぎ座」の台本や舞台写真、帰郷時に体験した小田原空襲の被害を記したスケッチなども。
「小田原は父が生まれ、母と出会った場所」とゆかりが深いことから寄贈を決めたと厚さん。市では今後、企画展などを通じて市民らに公開する予定。

POST20190222_odawara_hirosawa▲父・榮さんの写真を手に、加藤市長(右)に資料の説明をする厚さん

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