小田原市 ニュース 街の話題 2018年11月30日号

小田原少年院で閉庁式

2020/05/01

来年3月で閉鎖

来年3月31日に閉鎖する小田原少年院(同市扇町)で11月15日、閉庁式が行われた。保護司や自治会関係者など約90人が出席し、これまでの歩みに思いを馳せた。
同院は関東甲信越など1都10県を管轄。その歴史は古く、1903年に横浜監獄小田原分監として開設されたのが始まり。1922年に小田原少年刑務所として独立し、1952年に現在の小田原少年院となった。
一時期の収容人数は274人にものぼったが、ここ10年は平均75人に減少。また、大正時代建築の講堂や道場をそのまま使っているなど施設の老朽化の問題もあり、67年続いた歴史に終止符を打つ。
少年院となってからの出院者数は6000人以上。更生に向けての教育には地域のボランティアも協力。面会に来る人がいない少年のために更生保護女性会では誕生会を開いてきた。また、もちつき大会や盆踊りへの参加を通じて、地域と触れ合う場を創出してきた。
式典で齊藤美紀雄院長は、「巣立った少年の人生を思い浮かべる時、その使命を十二分に発揮できたと確信している」と述べた。また、教誨司(きょうかいし)の小川迪雄さん、親子2代で在院者の理髪を務めた高田理さん、講演を通じて夢や希望を伝えてきた漫画家の高橋ツトムさん、出院後にボクサーからNPO法人代表になった川嵜竜希さん、同じく元院生で現在はボクシング・東洋太平洋スーパーバンダム級チャンピオンの勅使河原弘晶さんに表彰が贈られた。
最後に、篤志面接委員を務めるなど57年間にわたり在院者を支援してきた志村宗男さんは、「ここに入ったことをマイナスでなくプラスにしてほしい」と話した。
同院には15日現在で13人が在院しているが、全員年内中に出院する。閉鎖後の土地と建物は、財務省の管理となる。

POST20181130_odawarasyonenin_a▲小田原少年院の建物。手前はプール

POST20181130_odawarasyonenin_b▲閉庁式で挨拶する齊藤院長

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