西さがみ・季節の花ノート 2018年08月31日号

西さがみ・季節の花ノート [No.8] ミゾカクシ -ききょう科-

2020/06/03

Kisetsu_no_Hana_Note-008_mizokakushi園芸植物のロベリアと同属の種類である。野の花のどれかに似ているような気がするので考えたら、山地の湿原に咲くサワギキョウを思い出した。花弁の半分だけが強調されているところが、両者共通しているであろう。
和名ミゾカクシは、水田地帯の小さな溝などに群生して、いかにも溝を隠す程に繁茂するからである。別名をアゼムシロというが、これも田の畔を埋めるように一面にひろまり、それをむしろを敷いたように形容している。
学名はロベリア・チャイネンシスでつまり中国産のものが最初に研究されている。そこで『中国髙等植物図鑑』
を見たら、中国名は半辺蓮であった。髙さは一〇-一五㎝の小さな草であるが花は淡い紅色を帯び、そして花弁は円形にまとまらずに下半分だけのように見えて、いかにも半辺蓮は適称である。そして中国では本種は蛇に噛まれた時の薬にもなるという。
(箱根カルチャー主宰・田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2018年08月31日号