西さがみ・季節の花ノート 2018年09月07日号

西さがみ・季節の花ノート [No.9] オシロイバナ -おしろいばな科-

2020/06/03

Kisetsu_no_Hana_Note-009_oshiroibana路傍や海岸の堤防の根もとなどに、時には大きな群落を作っていることもある。もと南米原産の帰化植物で、髙さは一メートル内外あり、節の部分が肥大して瘤のように見えるのも特徴。日本への渡来は江戸時代のはじめ慶長の頃らしい。
夏から秋にかけて咲き、だからいつも咲いているように思うが、実は夕刻から開花して翌朝にしぼむ。花色は濃紅色が基本だが淡紅色・白色・絞り模様・黄色など多彩である。夕方開花するために夕化粧の別名もある。
花弁のように見えるのは癒合した萼で、その下部は細長く筒状になり、花が終ると写眞のように花の基部には黒色球形の種子ができる。そしてこの種子を指で潰すと中から白い胚乳がこぼれ出るが、それは乾いているので白い粉状で、つまりおしろい花の名の起源である。しかし近頃は花の名よりも、まずおしろいの説明から始めねばならなくなった。
(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2018年09月07日号