西さがみ・季節の花ノート 2018年12月14日号

西さがみ・季節の花ノート [No.14] ハゼラン -すべりひゆ科-

2020/06/16

Kisetsu_no_Hana_Note-014_hazeran
舗装道路のへりや乾いた側溝の中などで、いつも見かける花なのだが、意外にその種名を知る人は少ないようである。もと熱帯アメリカに分布し、日本へは明治時代に、観賞用に輸入され、そして今は帰化植物になった。
写眞のように淡紅色五弁の花を散りばめたようにつけ、残花は初冬まで咲くが花の盛期は七・八月頃である。開花の時刻が午後になるので、それで以前はサンジソウ・ヨジソウなどとも呼ばれた。
和名にランをつけるのは当っていないが、日本では葉が厚く葉脈は網目にならず平行脈で、葉のへりに鋸歯がないとみなランで、蘭でなくともシダ類までランと呼ぶのでこれは仕方がない。
花が終ると球形の蒴果ができて、それが三裂して種子が外に飛び出す。直径三ミリほどの種子だが、その飛散する姿からハゼランと云うらしい。

(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2018年12月14日号