西さがみ・季節の花ノート 2020年01月10日号

西さがみ・季節の花ノート [No.33] コンテリクラマゴケ -いわひば科-

2020/06/16

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和名は紺照鞍馬蘚の意味である。箱根などの落葉樹林の林床に普通に見かけるクラマゴケは、京都の鞍馬山などにも多いのでこの和名が生れた。コンテリクラマゴケはそれより立ち上って背伸びをした感じだが、何よりも葉の表面が緑色ではなく紺に近い青白い色彩で、群生するとき意外に美しい風景となる。
中国原産の帰化植物で、日本へは温室植物として入り、それが野外に逸出したものと考えられる。中国植物図鑑を見ると、その分布は四川・雲南・貴州など中国西南部から南部にかけての各省に広く分布し、海抜四〇-千米の範囲に自生するという。私は台湾でも見たことがある。
中国名は翠雲草。翠の一字が緑でも紺でもない色を表現していて、これに比べると紺照りはひどく雅味がない。なお中国では薬用植物でもあり、解熱・利尿・消炎・止血などに用いられている。

(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2020年01月10日号