西さがみ・季節の花ノート 2020年01月31日号

西さがみ・季節の花ノート [No.34] ハナニラ -ゆり科-

2020/06/16

Kisetsu_no_Hana_Note-034_hananira
原産地は南米のアルゼンチンなどだが、日本へは明治時代中期ごろ観賞用に輸入された。それが現在では西さがみでも人家の庭から逸出して、JR東海道線の線路の土手や、市街地周辺の路傍にまで進出している。つまり逸出の状態から、ついに帰化植物の仲間入りを果したわけで、それも最近半世紀ほどの間のできごとなのである。
在来種のニラはネギ属の一種だが、こちらはハナニラ属なのであえて近縁ではない。そしてニラは初夏より秋に開花するが、ハナニラは早春に咲いている。またネギ属にはノビルやヤマラッキョウが含まれるが、ハナニラ属の植物はメキシコからチリにかけて数種が自生するばかりで、北半球には近縁種を見ない。
ハナニラは別名をセイヨウアマナとも呼ぶが、右の次第なのでアマナ属とも近縁ではない。ただハナニラにも全草にニラの臭いがするので、それで和名の由来が納得されるのである。

(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2020年01月31日号