西さがみ・季節の花ノート 2020年02月14日号

西さがみ・季節の花ノート [No.35] ミヤマキケマン -けし科-

2020/06/16

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西さがみの春に、どこにでも見かける紅紫色の花のムラサキケマンは、よく見ると美しい花なのにあまりにも普遍的に過ぎるらしく、それで大切にはされていない。西さがみの方言では、ハッカケバーサンなど呼んできた。
それが黄色の花をつける別種となると大いに人眼をひき、よく和名をたずねられる。とりあえず西さがみの黄色花には二種あって、その一がこのミヤマキケマンである。和名は深山黄華鬘(みやまきけまん)で、あえて深山でなくても丹沢や箱根などの山麓付近にも咲いている。なお華鬘とは多数の花を糸で綴ったつまり「花かづら」のことで、もとインドの風習というが仏教にとり入れられて華鬘を外して撒くことが「散華(さんげ)」、仏壇に金属製品で飾るのも華鬘(けまん)と呼ぶようになった。
葉の先端が鋭く尖るものがミヤマキケマンで、海岸に近い場所のキケマンの葉は先端が鈍形であまり尖らない。

(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2020年02月14日号