西さがみ・季節の花ノート 2020年02月21日号

西さがみ・季節の花ノート [No.36] ヒメウズ -きんぽうげ科-

2020/06/16

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やや湿気のある草地や暗い石垣などに生え、早春に写眞のような小さな花をつける。茎も細く花も小形なので目立たないが、しかし西さがみの春の花としては少くない種類なので、近寄って観察すると意外に美しい花である。
和名は姫烏頭(ひめうず)。烏頭は「とりかぶと」のことで、花の頂部がカラスの頭頂に似ていることに由来する。しかし花を見るととりかぶととは全く似ることなく、むしろオダマキに近い。そして分類学的にも、本種はオダマキ属の種類である。
どうしてとりかぶとの烏頭が連想されるかというと、それは花ではなくて葉の形が、どうやらトリカブトのそれに似ているからであるらしい。
しかしこの葉は初夏の頃になると消え去ることが多く、その頃ヒメウズを発見するのにひどく骨折った記憶がある。そして晩秋に新葉が出て、この葉は常緑のまま越冬している。

(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2020年02月21日号