小田原城さんぽ 2018年09月21日号

小田原城さんぽ [189] 藤原平(ふじわらだいら)北虎口付近

2020/06/26

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=二の丸外郭と三の丸外郭の兼用部分=

江戸時代末頃まで小峯の一角に藤原平という場所があったが、その後忘却されて久しい。ところが県立小田原髙校の新校舎の建つ位置がそれらしく、私がそう断定したのは次のような資料からである。まずそこには大きなつくばい状の石があって、それを「清平のホト石」と呼び、刀鍛冶が使ったものと伝承された。現在この石は小田原城本丸に移されている。
同校の北側は鍛冶曲輪(かじくるわ)と呼ばれ、現在市営テニスコートがそれだ。世に小田原刀という作品があり、その刀は稻葉正則が小田原に招致した刀工藤原清平(ふじわらきよひら)の作品である。こうして藤原平(ふじわらだいら)と清平(きよひら)のホト石は結びついた。その頃小田原髙校建替のため発掘調査が行われ、藤原平から大きな井戸が発見された。当然刀工も使った筈の井戸である。
写眞はその鍛冶曲輪北側斜面の空堀で、ここから城山中学校前までの堀は、北条時代二の丸と三の丸外郭とを兼ねていて注意される。
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(小田原の城と緑を考える会長 田代道彌)

-小田原城さんぽ, 2018年09月21日号