小田原城さんぽ 2019年03月29日号

小田原城さんぽ [196] お鐘の台大掘切東堀

2020/07/06

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=雨水をたたえる空堀=

雨が降るからとて城址めぐりは中止はできない。雨の日には雨の中できた別の城址の表情があるから-。
写眞は何日も降雨が続いた時の、小峯お鐘の台大掘切の東堀の、慰霊塔広場背後の堀底を写している。東堀とは北条氏時代小田原城の三の丸の範囲を包含する大規模な要害の一部で、例えば低地では小田原郵便局や東京電力などがこの堀底に建っている。それから天神山を て小峯に到り、これより市營テニスコート北側斜面を降って行く。
空堀のことだから、低地では一部が水濠になるが、山地では関東ロームの層の中に堀の側壁も堀底も位置する。固い粘土層のことなのでまず崩壊はしない。
そこでこのようなローム層に掘り込んだ空堀について、城中の用水の貯水機能を、この空堀にも持たせるとの説明がなされる。これは思いつきも甚々しいもので、写眞の水も数日滞水することなく、すぐに浸透して終り、池になって残ることはない。
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(小田原の城と緑を考える会長 田代道彌)

-小田原城さんぽ, 2019年03月29日号