小田原城さんぽ 2020年09月25日号

小田原城さんぽ [208] 郵便局裏二階櫓趾

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=大手門の北隣を飾った二階櫓の遺構=

小田原城の大手門は江戸時代寛永年間の工事で確定された位置と規模が、幕末まで大きな変更
はなく継承されてきた。それ以前には江戸時代にも三回にわたり位置まで変えたが、これは後
に触れたい。
その大手門より北へ石垣と土塁が続く。三の丸の水濠は現在の小田原郵便局の位置で直角に左
折し、やがて幸田口門(こうだぐちもん)に向かう。郵便局はその濠の中に建つので、建物も直
角に曲りL字型を示している。
その水濠の内側に石垣をめぐらせて矢倉台を築き、その上に二層の多門櫓が建てられていた。
この櫓は寛文十二年(一六七二)に企画され当時は平櫓であった。ところが元禄の大地震で失わ
れたらしく、その後幕末まで続いたのは二階櫓で、規模は初層四間×五間、二層三間×四間、
髙さ九丈六尺余を測った。
現在の郵便局の南横から見学用の階段が整備されていて、土塁上を幸田口門方向まで歩くこと
ができる。

【写真】小田原城三の丸二階

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(小田原の城と緑を考える会長 田代道彌)

-小田原城さんぽ, 2020年09月25日号