歴史 中井町 ニュース 2020年11月27日号

関東大震災でできた「震生湖」
中井町初の国登録記念物へ

2020/11/27

中井町と秦野市にまたがる「震生湖」が、国登録記念物に登録される見通しになった。
11月20日、国の文化審議会が新たに6件の記念物を国登録記念物に登録するよう文部科学大臣に答申。震生湖はそのうちの1件で、答申通り登録されれば、県内の国登録記念物は累計9件となり、中井町では初の登録となる。
遺跡や名勝地、動植物や地質鉱物といったものの内、学術上価値のある文化財の総称を記念物と呼ぶ。震生湖は、1923年の関東大震災で斜面が約250mにわたって地滑りし、土砂が市木沢を閉塞して誕生した堰き止め湖。地震による崩壊地は多数生じたが現存するものは稀有で、地震に伴う地塊運動を伝える貴重な資料とのこと。紅葉の名所でも有名。
町では、国登録記念物に登録されることで、知名度向上につながり、新たな観光資源になると考えている。今後は震生湖の整備をはじめ、広報などでの周知、湖周辺のウォーキングイベント、震災から100年目となる2023年中の式典開催などに向け、秦野市と協議を行っていきたいという。
また、今回の答申では、箱根町強羅の「神仙郷」の国指定名勝への指定も盛り込まれた。神仙郷は、第二次世界大戦中から戦後にかけ、宗教家が強羅地区の地形と地質を活かして理想郷として整備した庭園。2013年に国登録記念物に登録された。

20201227_shinseiko▲震生湖(中井町提供)

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