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太陽光発電で日本酒「推譲 」完成
ソーラーシェアリングの米と電気で酒造り

2021/04/16

小田原市桑原の「ソーラーシェアリング」で育てた米を使った日本酒「推譲」が、大井町の老舗酒蔵「井上酒造」(井上寬社長)より4月1日に発売された。自然エネルギーの電力を利用した酒造りとして、持続可能な地域社会に向けた思いを込めている。

ソーラーシェアリングとは、農地に太陽光パネルを設置して農業と発電を同時に行う仕組み。再生可能エネルギーの普及と耕作放棄地の再生に取り組む合同会社「小田原かなごてファーム」(小山田大和代表社員)は、2018年から桑原の休耕田に太陽光パネルを設置し、発電をしながら米を育てている。
同社の活動に賛同した井上酒造の井上社長は、この米で酒を造ろうと小山田さんと意気投合。酒造りに使う電力を、再生可能エネルギーを供給する新電力会社「みんな電力」に切り替え、桑原のソーラーシェアリングによる電気を活用。3年目の挑戦で念願の完成を果たした。
原料の米は、自然栽培で育てたキヌヒカリ。銘柄の「推譲」は二宮尊徳の言葉から名付けた。ラベルの揮毫(きごう)は、前小田原市長の加藤憲一さんに依頼した。
4月6日には、市内成田の農家カフェ「シエスタ」で関係者によるお披露目会が行われた。「酒は良い水、良い環境がないとできない。地域や環境について考えてもらえればと思う」と井上さん。小山田さんは「地域課題の解決が使命」と語り、この酒に込めた思いを伝えた。気になる味わいはふくよかで爽やか、キレがよくすっきりとしたタイプという。
1本税込1650円(720ml)。限定700本。購入は井上酒造ホームページにて。問合せはTEL.0465-82-0325同酒造へ。

POST20210430_suijyo_a▲「推譲」をお披露目した小山田さん(中央)、井上さん(左から2人目)、加藤さん(左)ら関係者

POST20210430_suijyo_b▲桑原のソーラーシェアリング

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