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住民有志が地域振興を願って建立
根府川関所址を伝える碑が完成

2021/06/14

小田原市根府川地区の「根府川関所址」に石碑が完成し、4月18日に除幕式が執り行われた。建立したのは、地元住民らでつくる「根府川関所の碑建立の会」(内田昭光会長)。根府川の歴史を伝え、地域振興につなげたいと思いを込めている。

根府川関所は江戸時代初期に、箱根関所の脇関所として開設。熱海や伊豆へ通じる関門として幕府から重要視され、厳しい取り調べが行われていた。片浦地域の村民は「守り村」として監視役を果たしたと伝えられている。
場所は白糸川の南側。だが、関東大震災で埋没し、その後の新幹線工事などで今は川底に。関所址について知る人も少なくなってきたという。
そのような中、地元住民の有志が2018年に、根府川の歴史や自然、文化を保全維持し、地域の振興に活かそうと「ねぶ川、里山を守る会」を設立。遺構の整備などに取り組んでいる。根府川関所碑の建立は、その活動の一つ。かつて多くの人が行き来したこの関所の存在を、たくさんの人に知ってほしいと思いをこめている。
石碑の素材は小松石。刻まれた「根府川関所址」の文字は、守屋輝彦小田原市長によるもの。除幕式には守屋市長も参加し、内田さんとともに除幕ロープを引いて完成を祝った。内田さんは「根府川は景色も良く、地域資源も多い。これをきっかけにまちおこしにつなげたい」と話した。

▲「根府川関所址」と刻まれた石碑を囲む内田さん(左)と守屋市長

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