西さがみ・路傍の花 2016年12月16日号

西さがみ・路傍の花 [474] センブリ -りんどう科-

2016/12/16

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西さがみの晩秋の野の花というと、リンドウ・ウメバチソウなどと並んで、このセンブリが思い浮かぶ。以前は薬草として開花する前の株を乾燥させ、それを湯の中で全草浸して、その苦味の強烈な液体を飲んだ。その振り出す時に、千回振ってもまだ苦いので、それで千振りだという。
この和名の語源説は少し出来過ぎているようにも思われるが、しかし西さがみではたしかにセンフリでセンブリとは濁らない。民間薬としてばかりではなく漢方では「当薬」の名で知られていて、いづれも健胃効果が著しいという。
二年草だから開花すると株は枯れるが、その株元をみると葉が楕円形で暗緑色、たてに白條の入っている低平な草が付近に散生しているであろう。それがセンブリの子供で、これが来年の秋に開花結実し、そして二年の命を終えるのである。
(箱根カルチャー主宰 田代 道彌)

-西さがみ・路傍の花, 2016年12月16日号