小田原市 文化 ニュース 2021年09月03日号

小田原三の丸ホール・大石館長にインタビュー
「なんの用事がなくても自然と足が向く場所に」

2021/09/03

いよいよあさって5日(日)にオープンを迎える「小田原三の丸ホール」。館長の大石時雄さんに、ホールの特長やそこに込めた思いを聞いた。

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「好きな時に来て好きな場所を見つけて、好きなことをして過ごして好きな時に帰る、三の丸ホールはそんな場所です」と大石さん。
公演やイベントがない時も、市民や観光客がソファでくつろいだり、飲み物を持ちこんで一息ついたり、暑さをしのいだり、日常生活の中でふらっと立ち寄れる場所にしたいと話す。
そのためにまず意識したのは、ホールのそばにある小田原城天守閣の存在。お城を目指して小田原にやってくる国内外の観光客のため、トイレやスマホの利用などで便利に立ち寄れる機能を重視。「観光客が館内に飾ってある市民の絵画や写真を目にしたり、そこから出会いやつながり、楽しみが生まれれば」。
文化や芸術にあまり触れてこなかったという人も自然と足が向く施設。それが三の丸ホールの目指す姿と話す。

小田原市民の第三の居場所に

大石さんは舞台芸術の専門家として、世田谷パブリックシアターやいわき芸術文化交流館アリオスなど多くの公共ホールの立ち上げや運営に携わってきた。
心がけるのは、現代社会における公共ホールのあり方。家族や社会の形態が変わり、子どもを取り巻く環境も以前とは異なる。その中で、大人も子どもも誰もが生きがいや楽しみを感じられるようにしたいという。同じ趣味の友達をつくったり好きな音楽やアートを見つけたり、それが人生の支えになることも。
「自宅でも職場でも学校でもない、小田原市民にとっての『サードプレイス』(第三の居場所)になれば」。気軽でオープンな“縁側”のような施設でありたいと思いを込める。

市民内覧会も

大ホールのホワイエ(通路)は、利用のない場合フリースペースとなり、窓から馬出門や常盤木門、天守閣への登城ルートが一望できる。見慣れた小田原城もここから見ると改めて歴史や景観のダイナミックさが感じられ、撮影スポットとしても人気がでそうだ。

初日5日(日)~11日(土)は市民内覧会を開催。自由に館内を見学できるのでじっくりと楽しんでは。9時~17時(初日は12時~・大ホールは9日(木)まで)。

▲【写真①】大ホール前のフリースペース(2階)。公演中以外は自由に利用できる。コンセントスペースも設置。
▲窓からの眺め

▲【写真②】「音楽」をテーマにしたキッズルーム。

▲【写真③】市民らのアート作品が飾られるギャラリー回廊。

▲大石時雄館長

公式サイト http://www.ooo-hall.jp

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