西さがみ・季節の花ノート 2021年12月17日号

西さがみ・季節の花ノート [No.43] ダリア・インペリアリス(皇帝ダリア) -きく科-

2021/12/17


ダリアはメキシコからグァテマラの髙地で、およそ四〇〇年以前に発見された。原種は六種類であったが、以来交配が続けられて現在では三〇、〇〇〇品種に達するという。野生の原種は髙原の砂礫地に生育し、春の雨期に発芽して成長し、八・九月に開花して秋の乾期の訪れとともに休眠に入る。ダリア栽培にこの原則は知って置かねばならない。
それというのも、近頃急速に普及した皇帝ダリアの処遇のことである。熱し易く飽きやすい国民性のせいか、どこにも栽培放棄された皇帝ダリアが眼につき、哀れでならない。
茎の髙さ四m近いこの品種名は、ダリア・インペリアリスで、直訳して「皇帝の」であり、花の直径も一〇㎝に近い。花色も淡紫色でエレガンスだ。西さがみでは寒気に備える程ではないが、初冬には旧茎を取り去り、株元に土寄せをする程度の手入れは、せめてしてやりたいものである。

(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2021年12月17日号