西さがみ・路傍の花 2017年01月20日号

西さがみ・路傍の花 [477] ヤドリギとオオバヤドリギ -やどりぎ科-

2017/01/20

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写眞は小田原駅西口に近い大稻荷神社の、本殿背後の社叢の西端で写したもの。宿主はケヤキでしかもまだ若木だが、その枝の上部に球形に集合して寄生しているのがヤドリギで、下部に大きく独立樹のような顔をしているのはオオバヤドリギである。どちらもやどりぎ科ではあるが、オオバヤドリギ属とヤドリギ属は別属だから、それが一株のケヤキに寄生していて珍しい。
二種とも花は春に開花し、晩秋から冬にかけて黄色の果実が成熟する。ちょうどこの頃にこの果実を好む野鳥が飛来して、果実は鳥に食べられるとき四〇度を超える体温で温められる。この温度に触れることが、種子の発芽に必要なのであろう。
やがて野鳥はその種子を廃泄するが、糞の中で種子は糸を引くほど粘っていて、だから樹の枝に付着し発芽できるのである。
(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・路傍の花, 2017年01月20日号