西さがみ・季節の花ノート 2022年04月01日号

西さがみ・季節の花ノート [No.47] ニワゼキショウ -あやめ科-


和名は庭石菖で葉の印象がセキショウに似るからだが、しかしセキショウはさといも科でこちらはあやめ科だから、類縁上は全く関係がない。
芝生の中などに入っていて草丈も芝生と同程度なので、西さがみでの呼び名はナンキンアヤメであった。南京とは小型という形容詞らしく、ナンキンネズミ・ナンキンシャモ・ナンキンコザクラなど動物や植物に南京を冠せるとみな矮小型ということになる。
原産地は北米で「牧野植物図鑑(旧版)」によると、日本には明治二〇年頃渡来し、はじめ東京の小石川植物園にあったがその後各地の芝生に見るようになったという。
一日花だが毎日群れて開花するので写眞の風景を現出している。花色には白を主体とするものと紫紅色との二型があるが、洋種山草として輸入された別種には黄色の種類も見たことがある。

(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2022年04月01日号