小田原市 ニュース 産業 2022年06月10日号

小田原の「海の森」を再生へ
漁業者・ダイバーが団結して活動

2022/06/10

豊かな海を育む「藻場」再生の取り組みが、小田原市の江之浦漁港沖合で6月1日より始まった。漁業者やダイバーらが連携して活動していく。

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海藻が生い茂る藻場は、多様な生き物たちが生息する「海の森」。だが、この藻場が枯れる「磯焼け」という現象が、気候変動などの様々な要因で日本各地の海で発生している。

小田原の海でも、特に2019年の台風19号の後、多くの藻場が消失。海藻を食べる魚のアイゴやウニの影響もあり、アワビなどの漁獲量が激減している。

そこで、漁業者やダイバーが小田原藻場再生活動組織を結成。市や県と協力して6月1日、海藻「早熟カジメ」の種苗をつけた藻場礁4基を海底に設置する作業に取り掛かった。

藻場礁は、食害を受けないよう保護網付き。その中に通常より早く半年程で繁殖できるカジメを入れる。食害にあう前に周囲の岩場へ胞子を飛ばし、増えることが期待される。また、底部のコンクリートは海藻の成長を促す養分入り。真鶴生コンクリート㈱が協力した。

「今日がスタート。以前の豊かな海が戻るよう活動していく」と同組織代表の野瀬晃治さん。今後はダイバーが定期的に育成状況を確認し、アイゴやウニの駆除も進めていく。


▲藻場礁の設置作業を進める漁業関係者とダイバー


▲海底に設置された藻場礁(提供:小田原藻場再生活動組織)

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