西さがみ・路傍の花 2017年04月21日号

西さがみ・路傍の花 [484] ホトケノザ(サンガイグサ) -しそ科-

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西さがみの冬は温暖なので、この花は陽だまりなどでは昨年の暮の頃から咲いている。茎の断面が四角形なので、それだけでもしそ科の植物らしいと見当がつくが、しそ科の中ではおどりこそう属に入る。
春になるといっせいに茎を伸長させて、写眞のように河原の土手などを一面に埋めつくすように開花する。茎の髙さは二〇㎝内外でその茎に二枚の葉が対生し、その上に紅紫色の花が輪生する。花を立姿の仏にたとえると、対生する二枚の葉はさしずめ蓮華座で、仏の座の和名はこの観察によるのであろう。
春の七草の一種にもほとけのざがあるが、そちらはタンポポを小型にしたような種類で、
標準和名はコオニタビラコである。ほとけのざが二種あるのはまぎらわしいが、こちらしそ科をきく科のそれと区別する時には、サンガイグサの別名を用いることがある。
(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・路傍の花, 2017年04月21日号