歴史 ニュース 産業 箱根町 2021年10月15日号

箱根の発展を支えたクリーンエネルギー
塔之沢発電所が土木遺産に認定

2021/10/15

(公社)土木学会による今年度の「選奨土木遺産」に、箱根町の「塔之沢発電所と関連施設」(1909年竣工)が認定された。当時最新の発電設備や国産技術を多用し、明治期における水力発電の基礎を作り、箱根の観光を支えてきた貴重な遺産として評価された。

水力発電に適した地形の箱根では、早い時期から中小水力による発電が行われていた。

1891年頃から、ホテルや旅館主らが小規模な設備により発電を開始。1896年に、塔之沢の有力者だった福沢辰蔵らが箱根水力電気㈱を設立し、塔之沢発電所が建設された。現在、県内で稼働している水力発電所としては最も古く、112年間に渡りクリーンな電気を生み出し続けている。

また、発電所から約4㎞上流にある関連施設の「早川取水堰堤」は、建設当時の面影を残す貴重な施設。

箱根町内の土木遺産の認定は今回で4例目。これまでには箱根地区国道1号施設群(旭橋・函嶺洞門・千歳橋)、箱根登山鉄道、荻窪用水と関連施設(早川取水堰、山崎発電所)が認定を受けている。

▲塔之沢発電所早川取水堰堤(写真提供:一般社団法人湘南建設業協会)

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