小田原市 文化 歴史 中井町 ニュース 2022年03月04日号

小田原で育まれたベトナムとの絆
浅羽佐喜太郎の小説

2022/03/18

明治期に小田原の前羽村(現在の前川地区)で医院を営み、ベトナム独立運動の指導者を支援した浅羽佐喜太郎(1867-1910)の小説『“約束の海”浅羽佐喜太郎物語』が、昨年12月発刊された。

当時のベトナムはフランスの植民地。日露戦争に勝った日本に学ぼうと多くのベトナム青年が訪日していた。その一人、ファン・ボイ・チャウの熱意に浅羽は胸を打たれ、私財を投じて支援を続けた。

地元でも知る人が少ない浅羽の功績。中井町にある博物館「江戸民具街道」の秋澤毬子さんは数年前に浅羽のことを知り、資料を集めて調査を始めた。地元の功績者を小田原の人に知ってほしいと小説化を企画し、友人である作家の新井恵美子さんに執筆を依頼した。

小説では前羽の海に倒れていたファンを浅羽が助けた場面から、2人の友情が紡がれる。A5判・150ページ(英訳付き)。1冊700円。伊勢治書店、平井書店で販売中。


▲小説の表紙

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