小田原市 歴史 ニュース 街の話題 2020年09月04日号

かつて小田原市内を走った路面電車
64年ぶりの里帰りへ

2020/09/04

実現に向け、資金の応援を広く募集中!

かつて小田原市内を走った路面電車を里帰りさせようというプロジェクトが小田原で進んでいる。活動する「小田原ゆかりの路面電車保存会」では、実現に必要な資金調達のため、広く協力を呼びかけている。
小田原市内では1956年まで、小田原駅前から箱根板橋駅前の国道1号を、箱根登山鉄道㈱の路面電車「小田原市内線」が走っていた。廃線後、車両5両が長崎県の長崎電気軌道㈱に譲渡され、昨年3月に最後の車両「モハ202号」が引退した。
この引退を知った小田原の鉄道愛好家やまちづくりの関係者らが、保存を目指して長崎電気軌道に譲渡を依頼したことから、プロジェクトがスタート。今年4月に「小田原ゆかりの路面電車保存会」(小室刀時朗会長・平井丈夫副会長)を発足。譲渡先の第一候補にも選ばれ、行政や経済界も巻き込んだ「オール小田原体制」で実現を目指している。

昭和の小田原の生き証人 モハ202号

モハ202号は、小田原市内線を走った現存する唯一の車両。同会では、この貴重な車両を小田原の遺産として将来のまちづくりに活かしたい考えだ。難航していた設置場所も、まちづくり会社の報徳仕法㈱が来年2月に国道1号「箱根口」交差点付近にオープンさせる観光・地域交流の新施設に決定。里帰り後は定期的に清掃して良好な状態を維持保全するとともに、目的に合わせた様々なイベントにも活用したいという。

実現まであと一歩!

残る大きな課題は、輸送や設置にかかる約1000万円を見込む資金の工面のみ。同会では、そのうち500万円をインターネット上で資金を募るクラウドファンディングで支援を呼びかけることにした。「里帰りを実現させて小田原の未来へとつないでいきたい。皆さま応援をお願いします」と平井副会長。
クラウドファンディングは、サイト「READYFOR」(https://readyfor.jp/)で「小田原ゆかりの路面電車」で検索。期間は9月25日(金)まで。返礼品にピンバッジや絵はがき、鉄道グッズなどを用意。また、銀行振込でも受付けている。口座は「さがみ信用金庫本店・普通2112309・オダワラユカリノロメンデンシャホゾンカイ」。問合せはTEL.090-3687-8355平井さんへ。

POST20200904_romen_a▲小田原市内を走る「モハ202号」。チンチン電車の愛称で親しまれていた(小田原ゆかりの路面電車保存会提供)

POST20200904_romen_b▲「151号」の名前で長崎を走った「モハ202号」(小田原ゆかりの路面電車保存会提供)

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