西さがみ・季節の花ノート 2018年06月15日号

西さがみ・季節の花ノート [No.5] ウツギ -ゆきのした科-

2018/07/25

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西さがみのウツギ属には花の咲く順に並べるとマルバウツギ・ヒメウツギ・ウツギの三種があり、他に丹沢山地の奥にウメウツギが咲く。いづれも白色の花で、自生地が限られるウメウツギを別にすれば、普通種の三種の花が開花するとこれをウノハナと呼ぶらしい。
だから独立してウノハナという種類はない。また歌に「卯の花の匂う垣根に-」とあるが、ウツギ属の花には芳香はない。
最初に咲くマルバウツギは和名の通り葉が幅広く卵形または楕円形で、花序の下の葉に柄がない。ヒメウツギは山地の河岸の岩場など渓流に多く、葉の幅は狭く質は薄く、先端は長い鋭尖形になる。
次にウツギが咲き、葉は卵状披針形でやや厚く、表面に星状毛があって触れるとひどくざらつくであろう。ホトトギス科の鳥四種のうち、最も渡来の遅いのはホトトギスだが、これとウツギの開花とはほぼ同時期になる。
(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2018年06月15日号