2018年07月20日号 小田原城さんぽ

小田原城さんぽ [187] 入谷津『本誓寺』

2018/07/25

odawarajyo-sampo187_honseiji
=歯吹如来を安置する古寺=

当知山重願院本誓寺は浄土宗の寺である。開基は藤枝氏と伝えそれを文亀元年(一五〇一)とするが、それなら北条早雲・氏綱父子が小田原入城の頃である。しかし仏像は鎌倉時代の優品であり、またここ入谷津は北条氏以前からの寺院も多く、藤枝氏は中興開基の人であろうか。駿河今川氏の家臣に藤枝氏がいるので、早雲とのゆかりも考えてみたいが、今も藤枝氏は謎が多い。
寺には二体の阿弥陀如来立像が伝存し、ともに足裏に仏足文が表わされ、うち一体は唇に白い歯をのぞかせるので歯吹如来と呼ばれてきた。仏が説教されているお姿だが、小田原では歯を病む人も参詣していた。日本に歯吹如来は一〇体あるが、この二体は最も早い造立で特に優品とされる(清水真澄:小田原の彫刻)。
寺は文禄四年(一五九五)江戸にも出て現在深川に存在する。箱根強羅公園の設計造園をした一色七五郎はその深川本誓寺に眠っている。
odawarajyo-sampo186_kawazuishi_map
(小田原の城と緑を考える会長 田代道彌)

-2018年07月20日号, 小田原城さんぽ