西さがみ・季節の花ノート 2022年07月22日号

西さがみ・季節の花ノート [No.49] ハマエンドウ -まめ科-


海浜植物の代表種だが、西さがみの海岸は奥行が浅く植物群落の発達も稀である。本種も大磯・二宮・小田原・真鶴など分布は点在的で、その中で真鶴岬先端の波打際に近い群落は見ごたえがある。
そこは砂浜ではなく玉石が急傾斜を作っている場所で、砂地では風が砂を持ち去りやすいことを、彼等は知っているように見える。
花が美しいのは、園芸植物のスイートピーと同属だからである。スイートピーの原種はイタリアのシシリー島で発見され、その後改良されて多くの品種があるが、学名はリンネの命名でラテリス・オドラーツスという。格別に香りの強いとのラテン語である。
日本のハマエンドウは北海道より沖縄までの海岸に自生するが、日本海側のものは茎や葉に軟毛がありケハマエンドウという。佐渡ではドンデン山の中腹にまで登っていて、私は一驚した記憶がある。

(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2022年07月22日号