西さがみ・季節の花ノート 2023年07月07日号

西さがみ・季節の花ノート [No.61] ペラペラヨメナ -きく科-

西さがみでは到る処の石垣などに繁茂していて、花ははじめ白色に咲きやがて紫色に染まるので、二色が入り混じって見える。箱根では戦後に白銀山付近の稜線上で見られたというが、その後山崎から箱根峠に達する新道や湯本付近で拡散が始ったので、それと関連するのであろうか。
それとは別に筆者は昭和四〇年代のはじめ頃、強羅公園に相模原の業者から購入して植えたことがあった。後に公園に無断で株分けして持ち去られることもあり、これも各地に分散した原因のひとつである。
原産地は中央アメリカで、同属の帰化種にはヒメジョオンやハルジオンがあるが、いづれも観賞目的で輸入したものとは思われない。恐らくは種子や根が、穀物や植物に付着して入ってきたものであろう。ペラペラヨメナも同様で、私たちはこれを、園芸植物とは思っていないように見える。

(箱根カルチャー主宰 田代道彌)

-西さがみ・季節の花ノート, 2023年07月07日号